ORCA®-Fire デジタルCMOSカメラ

C16240-20UP

飽くなき探求心に応える

もっと高い解像度で。もっと高速な現象を。

顕微鏡イメージングに携わる研究者の探求心は止むことはなく、その途絶えぬ情熱がライフサイエンス研究の発展の礎となっています。

ORCA-Fireは、これまで他のカメラでは実現できなかったより低倍率での高解像度で高速なイメージングに対応しました。

研究者の飽くなき探求心に応えます。

 

ORCAは、浜松ホトニクス株式会社の登録商標です。

高解像度:低倍率と高分解能を両立する

現在の顕微鏡イメージングにおいては、広い視野で一度に多くの対象を観察できることが望ましく、低倍率の対物レンズが使用されることが多くなっています。対物レンズの倍率が低い場合(10倍、20倍など)、カメラ側の画素は小さいほうが対物レンズの分解能を活かすことができるのですが、低倍率の対物レンズに対し、十分に小さい画素を持ったカメラが存在しておらず、低倍率と高分解能の両立ができないのが実情でした。

ORCA-Fireは低倍率と高分解能の両立を実現するため、従来のsCMOSカメラの画素サイズが6.5 μmであるのに対し、 4.6 μmという小さな画素サイズを持ったセンサを搭載しました。低倍率で高い分解能を必要とする用途に最適なカメラとなっています。

対物レンズの倍率・NAに応じた適正画素サイズ例

 

倍率 NA δ(μm) Δ(μm) 適性画素サイズ(μm)
4 0.16 2.10 8.4 4.2
10 0.4 0.84 8.4 4.2
20 0.8 0.42 8.4 4.2
40 1.4 0.24 9.6 4.8
40 0.95 0.35 14.1 7.1
60 1.42 0.24 14.2 7.1
100 1.5 0.22 22.4 11.2

※ レイリーの分解能 (δ) = 0.61λ / NA

※ 波長 (λ) = 550 nm

※ Δ = δ × 対物レンズの倍率

画素サイズの違いによる画質の比較

画素サイズの違いによる画質の比較

高感度:高量子効率×低ノイズ=高S/N

ORCA-Fireは、最新の背面照射型CMOSセンサを採用し、86 %(460 nm  ピーク時)という高い量子効率を実現しています。さらに、読み出しノイズも1.0 electrons rmsと低ノイズなため、結果として低光量領域から高光量領域まで、高いS/Nでのイメージングを可能にしています。

ORCA-Fireの分光感度特性

背面照射構造と高分解能の両立

CMOSセンサで効率よく光子を検出するためには高量子効率の実現が不可欠であり、この一つの手段として背面照射構造の採用があります。

従来の背面照射型センサでは、画素の区切りが無いため画素間のクロストークが発生し、分解能は前面照射型センサに比べて劣ります。

ORCA-Fireでは、背面照射型センサによって高量子効率を実現するだけでなく、画素を一つ一つ区切るトレンチ構造を採用し、画素間クロストークの低減を実現しました。

トレンチ構造とは

MTF測定結果

高速読み出し:瞬間的な生命現象を逃さず捉える

従来のsCMOSカメラを遥かに上回る大量の画素データ(4432(H)× 2368(V)10.5メガピクセル)を、115フレーム/秒のスピードで読み出すことができます。

読み出しノイズは従来のsCMOSカメラと同等に低く抑えられているため、入射光量の少ない高速イメージングにおいても高いS/Nでの画像取得が可能です。

読み出し速度(フレーム/秒)

Readout Mode Area Readout Mode Lightsheet Readout Mode
Scan Mode Standard scan
X(pixels) Y(pixels) CoaXPress

USB3.1 Gen I

(16bit)

USB3.1 Gen I

(8bit)

CoaXPress

USB3.1 Gen I

(16bit)

USB3.1 Gen I

(8bit)

4432 2368 115 15.7 31.5 114 15.7 31.5
4432 2304 118 16.2 32.4 117 16.2 32.4
4432 2048 132 18.2 36.5 132 18.2 36.5
4432 1024 264 36.4 72.8 263 36.4 72.8
4432 512 524 72.3 144 518 72.3 144
4432 256 1020 143 286 1000 143 286
4432 128 1980 279 558 1900 279 558
4432 8 15 200 2360 5260 11 400 2630 5260
4432 4 19 500 3960 7200 13 600 3690 7200

読み出し速度(フレーム/秒):2×2ビニング時

Readout Mode Area Readout Mode Lightsheet Readout Mode
Scan Mode Standard scan
X(pixels) Y(pixels) CoaXPress

USB3.1 Gen I

(16bit)

USB3.1 Gen I

(8bit)

CoaXPress

USB3.1 Gen I

(16bit)

USB3.1 Gen I

(8bit)

2216 1184 115 63.1 115 N/A
2216 1152 118 64.9 118 N/A
2216 1024 132 73 132 N/A
2216 512 264 145 264 N/A
2216 256 524 289 524 N/A
2216 128 1020 572 1020 N/A
2216 64 1980 1110 1980 N/A
2216 4 15 200 10 500 15 200 N/A
2216 2 19 500 13 600 19 500 N/A

広視野:一度により多くの対象を撮像

従来のsCMOSカメラよりも広い範囲を高速かつ高解像度に撮像できるため、研究や作業のスループットを大幅に向上させることが可能です。

顕微鏡の視野とセンササイズの関係

多彩な読み出しモード

ライトシート読み出しモードには、センサの最上部の水平1ラインからセンサの下方向に向かって読み出すフォワード読み出し(図1)と、センサ最下部の水平ラインから上方に向かって読み出すバックワード読み出し(図2)、フォワード読み出しから開始し、フレームごとにフォワード読み出しとバックワード読み出しが切り替わるバイディレクショナル読み出し(図3)、バックワード読み出しから開始し、フレームごとにフォワード読み出しとバックワード読み出しが切り替わるリバースバイディレクショナル読み出し(図4)の4つのモードがあり、コマンドによって切り替えることができます。

図1 フォワード読み出し

図2 バックワード読み出し

図3 バイディレクショナル読み出し

図4 リバースバイディレクショナル読み出し

ソフトウェア

浜松ホトニクスが提供する、画像取得、解析を目的としたアプリケーションソフトウェアおよび当社製カメラ専用のAPIやソフトウェア開発キットです。

仕様

型名 C16240-20UP
撮像素子 科学計測用CMOSイメージセンサ
有効画素数 4432 (H)×2368 (V)
画素サイズ 4.6 μm×4.6 μm
有効素子サイズ 20.387 mm×10.892 mm
飽和電荷量 20 000 electrons (Typ.)
読み出し速度 *1 全画素読み出し、CoaXPress動作:115 フレーム/秒
全画素読み出し、USB 3.1動作:15.7 フレーム/秒
垂直4ライン読み出し、CoaXPress動作:19 500 フレーム/秒
垂直4ライン読み出し、USB 3.1動作:3690 フレーム/秒
読み出しノイズ 1.0 electrons (rms)、 0.9 electrons (median)
量子効率 86 % (ピーク時) (Typ.)
露光時間 7.309 μs~10 s(7.309 μs step)
冷却方式 ペルチェ冷却
冷却温度 強制空冷(周囲温度+25 ℃):+20 ℃
暗電流 0.6 electrons/pixel/s (Typ.)
ダイナミックレンジ *2 20 000:1(rms)、22 000:1(median)
センサモード エリア読み出し 、ライトシート読み出し
外部トリガー機能 エリア読み出しモード:エッジトリガー、グローバルリセットエッジトリガ ー、レベルトリガー、 グローバルリセットレベルトリガー、読み出し同期トリガ ー、スタートトリガー
ライトシート読み出しモード:エッジトリガー、スタートトリガー
外部トリガー信号 外部入力(SMAコネクタ)
外部トリガーレベル TTL/3.3 V LVCMOSレベル
外部トリガー信号遅延機能 0 μs ~ 10 s(1 μs ステップ)
外部出力信号 グローバル露光タイミング出力、エニーロー露光タイミング出力、トリガーレディ出力、プログラマブルタイミング出力、High固定、Low固定
外部出力レベル 3.3 V LVCMOSレベル
インターフェース CoaXPress(Quad CXP-6)、USB 3.1 Gen 1
A/Dコンバーター 16 bit 、8 bit
レンズマウント *3 Cマウント
電源 AC 100 V~AC 240 V、50 Hz、60 Hz、2.5 A
消費電力 100 VA
動作周囲温度 0 ℃ ~ +40 ℃
保存周囲温度 -10 ℃ ~ +50 ℃
動作周囲湿度 30 % ~ 80 %以下(結露しないこと)
保存周囲湿度 90 %以下 (結露しないこと)

※1 DCAM-APIによるフレームバンドル機能使用時の値

※2 飽和電荷量と読み出しノイズから算出

※3 Fマウント対応製品(C16240-20UP01)もございます。詳しくはお問い合わせください。

外形寸法図

s_c16240-20up 外形寸法図

s_c16240-20up ベースプレート 外形寸法図

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