© Hamamatsu Photonics
Created by Talley Lambert
画像読み込み中...
ここで言う画素サイズとは、画素の縦と横の大きさをミクロン単位で表したものです。対物レンズの倍率等は考慮しておりません。ここで重要なことは、画素サイズが大きくなるにつれて画素当たりの光子数が増加するためS/Nが増加することです。一方で、空間分解能は低下します。
カメラの量子効率は、検出する光の波長に依存します。カメラからHamamatsu CameraまたはStandard Cameraを選択した場合は、そのカメラの特性に応じた量子効率が自動で適用されます。
センサに入射した光を読み出す際に発生するノイズを読み出しノイズと言います。カメラメーカーは通常、このノイズを電子の二乗平均平方根(RMS)で表現します。読み出しノイズは画素を読み出すごとに必ず発生するノイズですが、その量は露光時間等には依存しません。また、通常画素の読み出し速度が速くなるにつれて増加します。
CCDでは読み出しアンプが単一であるため、全ての画素で等しい量の読み出しノイズが発生するのに対し、CMOSカメラは画素ごとに別々のアンプがある為、読み出しノイズも画素ごとにばらつきが発生します。一般的にはCCDカメラより科学計測用CMOSカメラの方が読み出しノイズが低いことが多いです。
量子効率とは、センサに入射した光子が電子に変換される際の変換効率のことです。
実際にはカメラごと、波長ごとに値が異なります。カメラからHamamatsu CameraまたはStandard Cameraを選択した場合は、そのカメラの波長に応じた量子効率が自動で適用されます。 Adjustable Cameraを選択した場合は、カメラのカタログに記載のある分光感度特性のグラフを参照いただき量子効率をご確認の上、入力してください。
飽和電荷量とは、1つの画素が飽和するまでに蓄積できる電荷の最大数のことです。ある画素が1度の露光時間中に飽和量の電荷数を蓄積してしまうと、それ以上は記録される画素の輝度値は増加しません。この場合は、カメラの定量性が損なわれますので、飽和しない光量で観察を行っていただく必要があります。
シミュレーション時は、飽和した画素は赤色で示されます。
オフセットとは、各画素にあらかじめ加算されている値(グレーレベル)のことです。カメラの読み出しノイズにより、出力値はプラスマイナス両方向に振れるため、0よりも大きいオフセットを設定する必要があります。オフセットの値が低すぎる場合、読み出しノイズによって値が0になってしまうことがあります。
CCDでは、全ての画素が同じアンプを共有しているため、オフセットも一定になりますが、CMOSは各画素にアンプがあるため、画素ごとにわずかにオフセットのばらつきが発生します。
暗電流は熱に起因して発生する電子のことであり、時間の経過とともに画素に蓄積されます。そのため露光時間を長くすると影響が大きくなります。暗電流はセンサを冷却することで大幅に減少させることができます。蛍光観察用途では露光時間が1秒以下に設定されることが多いですが、その条件下ではCCDやCMOSで発生する暗電流は非常に低く、影響はほとんどありません。一方でEMCCDは発生した暗電流も電子増倍してしまう上に一般的にCCDやCMOSよりも画素サイズが大きく暗電流が大きいため低い温度に冷却されることが多いです。
注:CMOSの場合、暗電流も読み出しノイズと同様に画素ごとのばらつきがありますが、シミュレーションでは全ての画素で一定となっております。
CCDの読み出しにおいて電荷転送のためにシリコンの電界が変化した時に、小さな確率で追加的な電子が発生することがあります。それらはCICと呼ばれています。カメラメーカーはクロック波形の高さやエッジを注意深く工夫することで、通常約100垂直転送に対して1ピクセルあたりたった1電子が生じると推測される程度に低減しています。CICは1電子なので、高性能な低読み出しノイズのCCDにおいてもCICは無視できます。しかしながら、高ゲイン設定のEM-CCDにおいては、一般的にCICはダークシグナルに関係する追加的なコンポーネントとして扱われます。
デジタル出力とは、各ピクセルの輝度値を記録するために使用されるbit数(数字を2進数で表現した場合の桁数)のことです。例えばデジタル出力が「12」の場合、最も暗いピクセル(輝度値0)と最も明るい「飽和」ピクセル(輝度値4095)の間に合計2^12=4096の階調があることを意味します。
アナログゲインは、A/D変換される前のアナログ信号の増倍度を示します。ゲインを上げると入ってきた電子の数に対してより大きな電圧を得られ輝度分解能を上げることができます。すべてのアンプは固有のゲインを持っていますが、これを操作可能なカメラもあります。しかし、ゲインをあげると入射した光量に対する輝度値が大きくなる一方で、ノイズも増幅してしまうため、S/Nの改善は見込めません。また、輝度値が大きくなることは画素が飽和電荷量に達しやすくなることにもなり、ダイナミックレンジを低下させる要因にもなります。
CCDではすべての画素が同じアンプを共有しているため、アナログゲインの値も同じになりますが、CMOSではすべての画素にそれぞれアンプがあるため、アナログゲインの値もわずかにばらつきが発生します。
電子増倍(EM)ゲインは各画素の信号電子を増倍し、フローティングディフュージョンアンプと呼ばれる電荷・電圧変換アンプで変換される電子量を増加させます。これらのプロセスから電荷・電圧変換アンプで発生する読み出しノイズを電子増倍率に応じて低減することができます。その一方で、信号電子に「エクセスノイズ」と呼ばれる増倍揺らぎに起因するノイズ成分を付加します。電子増倍することで読み出しノイズが支配的な低光量の信号に対してはS/Nを向上させますが、読み出しノイズが無視できる光量の多い信号に対しては逆にS/Nを低下させてしまいます。
このスライダでは、シミュレーションにおけるサンプルの明るさを設定します。
注:カメラの画素が1平方ミクロンよりも大きい場合、最も明るい画素の輝度値は、この光量設定から予測される値よりも低くなる可能性があります(対象の画素内全てが最大輝度になるとは限らないため)。ピクセルの光子/電子の数についての詳細な情報は統計値のタブで表示されます。また、露光時間の長さによってもこの光量は変動します。
以下のガイドは、実験における光子数の測定方法の理解に役立ちます。
https://camera.hamamatsu.com/jp/ja/learn/technical_information/thechnical_guide/how_many_photons.html
このスライダは、画像内の背景の輝度を設定します。シミュレーションでは、背景は視野全体にわたって均等に加算されます。
カメラの露光時間を設定します。サンプルからの信号とバックグラウンドの両方に影響を及ぼします。(露光時間の長さに比例して暗電流も増加します。)
ビニングは、画素内の信号(電荷)を足し合わせる機能です。これにより解像度を犠牲にする代わりに、隣接する画素の電荷を足し合わせることでS/Nを向上させることができます。例えば、ビニングを「2」にすると、2 x 2の4つの画素の信号が足し合わされた後に、1回の読み出しが行われることになります。
注:CCDとCMOSでは、素子の構造が異なるため、ビニングによるS/Nの向上度合いが異なります。CCDでは読み出し前にビニングを行うため、読み出しノイズの増加が最小限になり、S/Nは足し合わせる画素数におよそ比例して向上します。一方CMOSでは、読み出し後にデジタル的に行うため読み出しノイズの増加は抑えられず、S/Nの向上は平方根での計算(√足し合わせる画素数)となります。
選択したカメラの画素サイズと露光時間から計算した値です。
選択したカメラの画素サイズと露光時間から計算した値です。